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社長コラム

2012/04/01 その他

入学式の思い出

 わが家の部屋の壁には、高校球児だった私がチームメイトと行進している写真が掛っています。これは真夏に撮ったものですが、私はこの写真から桜の花の季節を思い出すことがあるのです。
 ・・・むかし、大の相撲好きだった私も時流には敵(かな)わず、小学校から子供の付き合いとして野球を始めました。そして、なんとなくそのまま中学、高校と、野球部に所属したわけですが、話は、私が高校2年生になる春からのことです。

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 小学6年生で身長が急激に伸びた私は、中学校では『上からの目線』で話せるチームメイトが数人はいました。ところが、高校に入学した時は部員全員に対して『下から目線』で話す立場に変わってしまいました。私の身長は中学2年時の身体測定と現在の人間ドックで測る数値が同じなのです。(いや、少しちぢんだかな。)ですから、高校では新一年生が入部するのが本当に楽しみでした。「ちっちゃい一年生はいないか、ちっちゃい一年生はいないかぁ!」まるで秋田県のナマハゲが『悪いコはいねがー、泣ぐコはいねがー!』と、子供たちを追い回すような鬼気迫る眼つきで身長161センチ以下(私は162センチ)の新入部員を探していたのです。私が2年生での新一年生、『該当者なし。』一年待って私は最上級生、2歳年下の新入部員、『該当者なし。』
 その後、同級生、後輩ともすくすくと育ち、『吉澤、おはよう、吉澤さん、おはようございますっ!』という声はいつも頭上から聞こえてきたのでした。
 この写真の中では、私より10センチも脚の長いチームメイトが、『吉澤、大股で歩け、追いついちゃうぞ!』と私にささやいているのです。チーム内ダントツのSサイズが、高校野球県予選開会式で母校のプラカードを持ち、先頭で入場する30年前の写真から、私だけは入学式の思い出がよみがえるのです。
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