2011/08/01
その他
校歌
梅雨明け間近のある朝、ポストから取り出した新聞がいつもより分厚くて重い事に気が付いた。週末の折り込みチラシが入っているのかと開いてみると、中からは40ページもある特別版が現れた。
「ああ、もうこの季節か。」とあくびしながら見た表紙には、大きく『輝け2011夏』とあった。…今年で全国高校野球大会は93回目を迎えるのだそうだ。この特別版には県予選の組み合わせと各校の紹介がされていたが、最初に開いたのはもちろん、私の出身校のページである。
今は私の同級生のFが母校の監督を務めている。以前書いたコラム『先生への質問』の中に、カレーうどんの話があったが、その味を教えてくれたのが実は彼の母親である。
…彼と私はちょうど30年前の今頃、最後の夏を迎えた野球部の3年生で、プレーセンス抜群の(残念ながら私ではない)彼は当時県内でも名の知れたキャッチャーであり、チームのキャプテンだった。大学卒業後は教職に就き、以来高校で硬式野球の指導を続けている。野球はFを手本に、味の秘訣はその母からと、この親子は私の師匠とも言える存在だ。グラブとバットはしばらく手にしていない私だが、カレーうどんづくりは現役であり、しなやかさとキレについては、いまも精進を忘れていない。
…ところで、そのページには、チームを評した記事、主将・監督の話が載せられていたが、こうである。
『先発完投が可能な二人の投手』、『俊足と下位打線からも飛び出す長打力』、『堅守・好連係の内野陣に守備範囲が広い三人の外野手』という評価の記事で、主将の意識もかなり高かった。監督の話では、『ここ10年間で一番良いチーム』に仕上がっているとあり、私は興奮して朝の眠気が吹き飛んだ。
…今年の夏はスタンドで聴く、母校の校歌を楽しみにしている。