2010/07/01
その他
『夏土用』、丑の日
先日のミーティングで、7月のカレンダーを見ていたら、『夏土用』という言葉が目に入ってきました。
土用と言えば夏のことでしょう?と思いきや、辞書を引いてみると『季節の終わりの約18日間』とありました。
解説をいたしますと、土用は春、夏、秋、冬と1年に4回あり、それぞれの土用が終わると、次の日が立夏、立秋、立冬、立春と季節が変わるのです。いえ、変わるんだそうです。(笑)
例えば、豆まきをする節分などは『冬土用』最後の日で、次ぐ日が立春ということになります。
まあいろいろとあるようですが、私の場合は『夏土用』、丑の日をイメージします。
・・・さて、ところは『坂東太郎』、利根川のすぐ近くの吉澤家。
昭和40年代半ばの夏の朝、その頃どこの家にもあった洗濯用の大きなたらいに、たくさんのウナギが泳いでいました。
これは、私の父親、宗三郎が獲ってきたもので、子供だった私はもちろん、そのお供をしてきました。
この漁は天候の穏やかな2日間を選び、1日目の夕方、仕掛けを川底に仕込み、翌早朝、それを引き上げてくるという極めて簡単な方法でした。
しかし、父親の友達が同じようにやってもなかなかうまくいかなかったようで、『宗さん、どうすればうまく獲れるんだい?』とよく聞かれていたのを思い出します。そんな時、彼は笑っているだけでしたが、私にはこう言うのです。
『お父さんにはウナギの匂いがする場所がわかるんだよ、ふふふ。』その言葉通り仕掛けからは次々と獲物が引き上げられ、私はただ興奮していたものです。
・・・今でも夏土用の丑の日、家族でうなぎの蒲焼を食べていると、重たくなったビクを担ぎ、悠々と利根川の河原を引き上げていく『名人・宗さん』の後ろ姿が思い出されます。